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紐解く絵巻物

一遍聖絵

原本、模本、複数系統など一覧

清浄光寺所有(巻第七以外)

※転載不可

【作者】法眼円伊

【制作時代】鎌倉時代・正安元年(1299)

【所蔵】清浄光寺

巻第七

【ライセンス】CC BY 4.0

【作者】法眼円伊

【制作時代】鎌倉時代・正安元年(1299)

【所蔵】東京国立博物館

晴山養実、養福、糺晴岱養承、狩野藤太養長、岩崎如淵信盈、伊教模

【ライセンス】CC BY 4.0

【作者】晴山養実、養福、糺晴岱養承、狩野藤太養長、岩崎如淵信盈、伊教模

【制作時代】江戸時代・天保11年(1840)

【所蔵】東京国立博物館

国立国会図書館蔵模本

【ライセンス】CC0

【所蔵】国立国会図書館

作品解説

時宗の開祖である一遍智真(1239–1289)の遊行と生涯を描いた『一遍聖絵』(一遍上人絵伝)は、一遍の十回忌にあたる正安元年(1299年)に、高弟であり実弟(あるいは異母弟)とされる聖戒が詞書を起草し、画僧の法眼円伊が絵筆を執って成立した全12巻48段の大規模な伝記絵巻である。一般的な鎌倉期の大和絵絵巻の多くが紙を料紙とするのに対し、本作は絵・詞ともに染めを施した特注の絹布を用いた「絹本著色」で仕立てられており、画面の天地が広く、中国宋代山水画の空間表現や写実的描法を意欲的に取り入れた日本美術史上の傑作として高く評価されている。本絵巻は長らく京都の六条道場歓喜光寺に寺宝として相伝され、「六条縁起」とも称されてきた。近世から近代にかけての所蔵変遷を経て、現在は時宗総本山である清浄光寺(遊行寺、神奈川県藤沢市)に国宝として12巻が所蔵されている。しかし、全12巻のうち「巻第七」の絵画部分(および詞書の一部)は幕末から明治期にかけて寺外へ流出し、実業家・原富太郎(原三溪)らの所蔵を経た後、第二次世界大戦後に国の買い上げとなって現在は東京国立博物館の所蔵(国宝)に帰している。これに伴い、清浄光寺に現存する巻第七の絵画部分は、江戸時代後期に狩野派の絵師によって補写された模本で補われており、原本たる法眼円伊筆の絵画は東京国立博物館本が保持している。

国立国会図書館所蔵の模本は東博の晴山模本などを大正期に再模写したものである。そのため、奥書まで模写されているため一致が見られる。

「一遍聖絵」は、時宗の開祖で、「南無阿弥陀仏なむあみだぶつ」と唱えれば信仰のあるなしに関わらず極楽浄土に行くことができると説いた、一遍上人の生涯を描いた絵巻です。 絵巻としては珍しく絹に描かれており、縦の大きさも大きいのが特徴です。全部で12巻からなり、これはその中の7巻目に相当します。 巻第7は、一遍上人をはじめとした僧侶の一行が、諸国をめぐって京都にたどり着く場面を描いています。時宗では「南無阿弥陀仏」と唱えながら鉦かねを打ちたたき、輪になって踊る「踊念仏」を行いますが、この絵巻にも京の市中に舞台を立て、踊念仏を行う僧侶の姿が描かれています。舞台正面にひときわ大きく描かれた一遍上人。その真剣な表情からは阿弥陀仏に対する真摯な信仰が伝わってくるようで印象的です。 高い位置に視点を置き、群衆は小さく捉えられていますが、表情や衣服も描き分けられ、たいへん個性豊かです。また各地の風景や人々の営みも活き活きと描かれており、絵師の並々ならぬ力量が画面のいたるところに発揮されています。 なお、巻第12に残された記述から、この絵巻は一遍の弟とも甥とも言われる聖戒しょうかいという人物が、一遍の没後十年目に物語の部分をまとめ、円伊えんいという名の絵師に絵を描かせたことが知られます。

時宗じしゅうの開祖・一遍いっぺん(1239~1289)の事蹟じせきを描く伝記絵巻です。絵巻としては珍しい絹本けんぽんで、縦の大きさも通常の紙本絵巻に比べて大きいのが特徴的です。全十二巻のうち、本巻は七巻目に相当します。 巻第七は、一遍らが遊行ゆぎょう(諸国をめぐって念仏の修行や布教を行なうこと)の途中、尾張おわり・美濃みの・近江おうみ(現在の愛知・岐阜・滋賀県)を経て京都へと入る場面を描きます。四条京極しじょうきょうきょくにある釈迦堂しゃかどうで一遍が京の人々に念仏を勧める場面や、平安時代に「市いちの聖ひじり」と言われた空也上人くうやしょうにんゆかりの市屋いちやという地に道場を建て、踊念仏おどりねんぶつを行なう場面などです。 一遍聖絵の最終巻、巻第十二に記された奥書おくがきによれば、この絵巻は画中にも登場する聖戒しょうかいという人物が、一遍の没後十年目の祥月命日しょうつきめいにちにあたる正安しょうあん元年(1299)8月23日に詞書ことばがきを書き終え、法眼円伊ほうげんえんいという絵師が絵を描いたことが知られます。高い位置に視点を置き、人物などは小さく捉えられていますが、表情や衣服も描き分けられ、たいへん個性豊かです。また各地の風景や人々の営みも活き活きと描かれており、絵師の並々ならぬ力量が画面のいたるところに発揮されています。 ColBaseを編集

原本、模本比較(巻第七)

国宝本東京国立博物館所蔵模本国立国会図書館所蔵模本