絵巻物とは
絵巻物とは日本で独自に発達した物語を横長の巻物形式で作品にしたものです。
絵巻物は原則として縦書きと同じく右から左へ物語が進みます。巻物の左側を解き、右側で巻いて物語を読み進めます。多くの絵巻物では幅が30cm程度であり、その2倍程度で肩幅ぐらいの60cm程度を一度に見えるように引き出します。博物館棟での全体を広げた状態で鑑賞するのは本当は間違っています。実際に信貴山縁起絵巻などでは作者がこの幅を計算して作成しています。
絵巻物では現代で言うドローンや街作りシュミレーションゲームなどで馴染みがある神の視点で描かれています。これについては信貴山縁起絵巻が特にすごく、本当に平安時代に作られてものか疑うぐらい計算されて作られています。
また、いくつかの作品では建物の外と中の物語を同時に描くために、屋根やときには壁などをぶち抜いて建物内が見えるような吹抜屋台が使われることもあります。この有名な例が源氏物語絵巻です。
他にも1つの連続した絵の中で同一人物を複数回描くことで時間の流れを表す異時同図法が使われる作品もあります。これは信貴山縁起絵巻の第3巻(尼公の巻)での東大寺大仏殿の場面が有名です。
このサイトでは様々な絵巻物について、鑑賞できるサイトの紹介、解説をします。また、最後に家庭やコンビニのプリンターで実際に巻物の形式にするためのアプリも用意しているので、ぜひご利用ください。やはり絵巻物は巻物の形式で鑑賞することを前提に作られているので、縮小版でも実際に手で巻いて鑑賞することをおすすめします。
このサイトの詳しい説明、制作目的などについてはこちらを参照してください。
有名な絵巻物一覧
源氏物語絵巻、信貴山縁起絵巻、伴大納言絵巻の3つを三大絵巻物、そこに鳥獣戯画を加えて四大絵巻物と呼ばれています。現在は四大絵巻物までしか扱えていませんが、将来的にはインターネット上でアクセスできるほぼすべての絵巻物のリンク集にしたいです。
本来ほとんどの絵巻物は100年以上前に作られており、その作品のスキャンデータは本来パブリックドメインで自由に転載ができるはずですが、いくつかのサイトではよくわからない制限をしているため、リンクのみしか掲載できていないパターンがあります。てかマジでこれなんとかしろ
源氏物語絵巻
世界でも読まれている源氏物語を絵巻物の形式にした作品です。源氏物語が書かれた約100年後の12世紀に制作されたと言われています。
吹抜屋台という屋根をぶち抜いて建物の外と中の両方を同時に書く技法で有名です。
しかし、源氏物語絵巻は詞書きと絵が短い区間で1対1で対応しているため、同じ絵に同人物を複数回描いて時間の流れを表す異時同図法が使われていないみたいです。つまり、現代で言うところの絵本に近い形であり、そのため、正直巻き物形式である必然性が感じられず、実際に少し前までバラされて保管されていました。
信貴山縁起絵巻
昔は信貴山朝護孫子寺の広告(寄付や信者集め)として作られたと言われていましたが、現在では制作目的について様々な説が出ています。信貴山の朝護孫子寺にいた命蓮という人の話です。
第1巻(山崎長者の巻/飛倉の巻)では、命蓮が飛ばした鉢で、蔵を飛ばす話です。第2巻(延喜加持の巻)は、命蓮が信貴山にいながら京都の醍醐天皇の病気を治す話です。第3巻(尼公の巻)は、命蓮の姉の尼公が命蓮に会うために信貴山までやってくる物語です。
三大絵巻物(他に源氏物語絵巻、伴大納言絵巻)の1つとされています。異時同図法の効果的な使い方が素晴らしく、また、ドローンなどがない平安時代に制作されたものであるが、本当に空から眺めている感覚が味わえます。また、場面転換などが素晴らしく、現代のアニメにつながるところもあります。
原本と模本
- 国宝本(フルで鑑賞できるサイトは見つからず)
- 住吉模本(スクロール鑑賞可能)
- 鳥羽僧正/覚猷 画/伝(国立国会図書館所蔵の模本)
- 立命館大学所蔵の模本(なぜかこれだけ第1巻の詞書きがあるがおそらく創作だと思われる)
伴大納言絵巻
よく知らないので、説明はWikipediaに任せます。
原本と模本
また原本のフルが見つかりませんでした。ただいくつか模本が見つかり、どれも権利上転載可能なので、今度このサイト内でスクロールで鑑賞できるようにします。
鳥獣人物戯画
多くの人が絵巻物と言ったら鳥獣戯画を思い浮かべると思います。動物や人が擬人化されて描かれた絵巻物で、ユーモラスな表現が特徴的です。
原本と模本
絵巻物印刷用分離アプリ
絵巻物の画像から印刷して少し工作をすることで、実物と同じく巻き物の形式で鑑賞することができるデータを作成するアプリです。画面上や本で見るのとぜんぜん違うのでぜひお試しください。